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2008年9月14日 (日)

マルセル・グリリ Marcel Grilli 論文 in 『音楽芸術』 3-1

Reinhard Ermen, Ferruccio Busoni ( Reinbek bei Hamburg:

Busoni01_7

Rowohlt, 1996 ), s.76. より転載

マルセル・グリリ論文『フェルッチオ・ブゾーニ――1つの再評価――オペラに於ける集約』

音楽の革新についてのブゾーニの教義は、次第に、第1次世界大戦の混乱から発した若い世代の音楽家達への刺激によって大部分実現されるに至った。不幸にも、ブゾーニ自身は、音楽の革命の全衝撃を立証するために生きていたのではなかった。しかし、1924年の彼の死の頃までには、感覚性と主観性は排除され、そして音楽が感情或いは心理的な状態を表現することができるというロマン的な概念は、音楽作品が単に音楽の創作自体の秩序のある構成的な進行を表現するという概念に乗っ取られて[原訳:乗りとられて]しまった。こうして、ブゾーニの透明性[原訳:澄明性]、形式及び内容に関する見解と、ただ音楽の法則だけが楽曲を支配するという彼あの教義は、ブゾーニに続く人達の作品に根を張った。ドイツでは、音楽にこうした新しい概念を導入することは、痛烈に、そしてシェーンベルク、ストラヴィンスキーそれからヒンデミットへの反動で最も顕著に反対された。こういう20世紀の音楽の3つの巨人の大きな姿を世界に明示するには、もう10年或いはそれ以上も必要としたが、彼等の最終的な肯定は、みな違った方法ではあるが、ブゾーニの教旨[ママ]で与えられた知的な基礎と刺激によってもたらされ得たのであった。

                        ☆☆☆☆

ここで、ブゾーニの美学的な原則が彼のオペラでどのように最も純粋に応用され、表明されたかを調べることが残されている。ピアニスト、作曲家、思想家としてのブゾーニの3重の能力にも拘[かかわ]らず、ブゾーニは、1つの芸術的な次元に自分を置いていた。ブゾーニは、常に、自分の芸術家としての全使命が表現法の1つの不可分な統一体、つまり1つの『総合[原訳:綜合]芸術作品』であると主張していた。ほとんどその生涯の終わり[原訳:終り]でも、彼は、自身[原訳:自体]のオペラ『ファウスト博士』の有名な序文を次のように書いて、音楽の本質と単一性をやはり強調していたのであった。

『時代は、「統一体」として音楽の全現象を認識する[原訳:認める]ようになってきて、もはやその目的、形式、音の媒体によって音楽を区別するということはなくなった。専[もっぱ]ら内容と特質という2つの前提から音楽は認識される[原訳:認められる]べきである。・・・目的ということは、自分ではオペラ、教会及び演奏会の3つの分野の1つを意味し、形式とは、歌曲、舞曲、フーガ或いはソナタを意味し、音の媒体とは、人の声や楽器の選択を指す。そして、楽器の中には、管弦楽、四重奏、ピアノ或いはそうしたものすべてのものの多様な結合が含まれる。』

こうして、オペラは、ブゾーニにとっては、型の点から優劣があるにしても、独立した『ジャンル』を作るものではなかった。ブゾーニの音楽の単一性という根本的な概念では、台本、衣裳、振付[原訳:振附]、劇場的な神秘主義のようなオペラの組成成分[原訳:組成々分]は、すべて単一の音楽的な機能の要素なのであり、『どこでそしてどんな形で現われようとも、音楽は専ら[もっぱら]音楽として存続し、他の何ものでもなく、しかもただ幻想を通じて、題名と表題或いは台本により音楽に与えられた説明及びその音楽の状態を通じて、特殊な範疇に入れられるにすぎない。』

ヴァーグナーに反対して、ブゾーニは、オペラでは『感覚的或いは官能[原訳:性欲]的な音楽は明らかにこの芸術の本質そのものによる地位から外れている』と断言した。オペラは、あらゆる劇場の因襲的な慣例から解放されるべきであった。彼は次のように書いた。

『オペラの総譜は、所作に適合している一方、所作から離れて、一つの完全な音楽的な絵画を見せなければならない。・・・事実、オペラを作曲することは、現われるあらゆるものの暗示的な将来と過去の・・・   

                               (Under Construction)      

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